[報文]島根県における酸性雨の長期変動

1985年4月~2002年3月まで島根県の松江市,江津市,川本町(川本は1988年4月より開始)の3地点で酸性雨に関する調査を行った。96年8月の降水時開放型捕集装置 (Wet-only) の導入に伴い,従来のろ過式採取装置(Bulk)と並行試験を行い,Bulkは乾性沈着の影響によりWet-onlyに比べSO42-,NO3-は約10%,nss-Ca2+は約20%沈着量が多かった。Bulkによる測定結果を補正し,湿性沈着量の長期変動をみると,pHにおいては顕著な経年変動はみられなかったが,NO3-沈着量は85~96年にかけて上昇し,以後横ばいで推移している。nss-SO42-沈着量は近年やや減少傾向がうかがえる。各成分における季節別の沈着量は冬季がもっとも多く,この原因として季節風による大陸からの汚染物質の移流が考えられる。なお2000年度のnss-SO42-沈着量の増加は三宅島の噴火,nss-Ca2+沈着量の増加は黄砂飛来の影響が示唆された。

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