[報文]凍結防止剤の表流水・植物・土壌への影響と大気中への飛散

塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを主成分とする凍結防止剤散布後,環境中の移動について検討するため,表流水中の濃度,土壌中の濃度および植物への付着量について測定を行った。また,都市部におけるイオン成分沈着量から大気中への飛散について解析を行った。長野市郊外の蛭川では1月にNa+(299mg/l)とCl-(504mg/l)の濃度が高い値を示したが,積雪の多い山問部の河川ではNa+,Cl-,Ca2+の濃度は最高でも20mg/l以下の低い値であった。幹線道路に面した長野市の街路樹(低木)への付着量は,Ca2+(1.69mg/g)とCl-(2.65mg/g)が2月にもっとも高い値を示し,付着成分が少なかった3月に比較して5~7倍の値であった。一方,車道端から2m離れた茅野市の樹木ではほとんど付着が見られなかった。白馬村の水田と空き地の土壌では道路端の部分でCa2+(39~162mg/kg)とCl-(166~278mg/kg)の蓄積が見られたが,道路端から2m以上離れた地点ではほとんど影響が見られなかった。大気中への飛散量について,ろ過式採取法による塩分沈着量の解析を行った結果,もっとも高い値を示した長野市のCl-沈着量は12月の平均2.8mmol/m2/月であり,最高でも1995年12月の9.7mmol/m2/月と,2000年度の湿性沈着量の全国平均値である8.9mmol/m2/月の1.1倍に過ぎなかった。

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