九州大学の中西氏と道端准教授は、雲粒と氷晶が共存する混合相雲の相状態が温暖化によって変化することで、地球放射(長波放射)に対する雲の影響を調査した。──従来の研究では、雲相フィードバックの重要性が指摘され、主に太陽放射(短波放射)に対する影響が議論されてきた。本研究では、昼夜を問わず地球全体から放射される「長波放射」に着目し、雲の長波放射射出率に起因して駆動されるメカニズムの存在を強調している。研究者は、この発見を「雲の射出率フィードバック」と新たに名付け、将来温暖化した際に氷晶が融解して液体の雲粒に相変化する際にも、極めて重要なモデル誤差の要因となると位置づけている。
──本成果は、地球温暖化の予測モデルにおいて、雲の射出率フィードバックを考慮する必要性を示している。特に、極夜期の解析により、雲の長波放射射出率が温室効果に与える影響を明確にしたことが注目される。雲の射出率フィードバックを採用した気候システム研究の進展や、気候モデルの精度向上が期待される。
情報源 |
九州大学 ニュース(研究成果)
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機関 | 九州大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 気候変動 | 温室効果 | 雲相フィードバック | 長波放射 | 雲粒 | 氷晶 | 極夜期 | 温暖化モデル | 射出率 | 地球放射 |
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