環境トピックス

エコドライブ講習会に参加した(1/3)
NIESおすすめエコドライブ 車の科学から探る運転方法

2016年12月28日

車に乗る人なら一度は気になる燃費。燃料消費量を減らせれば、CO2排出といった環境負荷の軽減にもつながります。先月、国立環境研究所(NIES:ニース)の職員を対象に開催されたエコドライブ講習会では、地域環境研究センターの近藤美則さんが、車の科学からおすすめの運転方法まで、エコドライブのポイントを教えてくれました。

車に働く4つの「力」

車が走行するときには4つの力が働くと言います。速度の二乗に比例する「空気抵抗」、車両重量に比例する「転がり抵抗」、車両重量と加速度に比例する「加速抵抗」の3つの力を基本に、傾斜のある道では車両重量に比例する「勾配抵抗」が加わります。これらの力を小さくすることが消費するエネルギーを抑え、燃料消費量を減らすポイントになるのです。難しそうに聞こえますが、速度を控えめに、無駄なものを載せない、加速度を小さく、を押さえておきましょう。

運転方法の違いから見たエコドライブ

ところで、エコドライブ普及推進協議会の「エコドライブ10のすすめ」では、“最初の5秒で、時速20km程度が目安”、つまり1秒間に4km/hずつ速度を上げていく「ふんわりアクセル」が推奨されています。でも、忠実に実行するために速度メーターに注意を向けるのは難しいことです。

近藤さんの研究では、ふんわり加速と普通の加速を比べると、同じ速度に到達するまでに消費するエネルギーはほぼ同じでした。一方、速度を抑え制限速度を守って等速走行することは、消費するエネルギーの削減に効果的であることがわかりました。また、早めのアクセルオフで惰性走行することも、消費エネルギーの削減が期待できます。

おすすめの運転方法。加速は普通でOK、制限速度を守って予測運転

それでは、エコドライブのポイントをまとめてみましょう。

  • 前方の信号や周りの車の流れを予測しながら、広めの車間距離で速度変化を小さく
  • 加速は普通でも、制限速度を守る
  • 早めのアクセルオフで、車の運動エネルギーを有効活用

近藤さんの研究では、26人の被験者にこのような運転方法を試してもらったところ、平均12%の燃費改善ができました。運転方法以外にも、車内や屋根上に必要のない荷物を積まないことや、エアコンを臨機応変に使用することもおすすめです。