イギリス公共政策研究所(IPPR)は、太陽光発電などの再生可能エネルギー導入によるイギリスの地域社会にもたらす資金が総計1億1500万ポンドに上り、地域活性化の財源となる、とする報告書を発表した。この報告書は、2010年1月からブリティッシュガス社が進めている「グリーンストリート」事業の中間報告として発表されたもの。同事業では、地域社会の再生可能エネルギー普及を目指し、本年中に14地域に総額200万ポンドを助成し、公共建物への小規模発電装置(ソーラーパネルなど)の導入等を支援する。各自治体は、政府の固定価格買取制度(FIT)の下、1)発電量に応じ給付される発電料、2)余剰電力売電による収入、3)電気代の節約分、の三重の恩恵が得られるとされる。試算では、再生可能エネルギーの導入により、公民館等公共の建物では年1800万ポンド、パブ(居酒屋)では1500万ポンド、学校では4100万ポンドの収入が得られ、イギリス全土に普及すれば、中程度のガス発電所と同じだけの発電量(約310メガワット)と、年14万5000トンのCO2排出量削減が見込まれるという。