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 東大、ラン藻のオイル生産性向上に役立つ機能改変「酵素」を創出

発表日:2019.12.17


  東京大学は、ラン藻由来酵素のアミノ酸配列を置換し、ラン藻の炭化水素生産性を向上させる新しい酵素を創出したと発表した。ラン藻(シアノバクテリア)の多くは油脂を生産する能を有しており、近年ではアシル(アシル輸送タンパク質)還元酵素(AAR)などの酵素が「軽油相当の炭化水素」生産に関与していることが分かってきた。これまで同大学は、AARのアミノ酸配列を変えることでラン藻が産生する炭化水素の長さを調節できることを解明し、AARと別の酵素(アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ)の機能解明などに取り組んできた(Kudo H et al., 2016; ―, 2019)。今回、AARを構成するアミノ酸(全340個)の一部(41カ所)を他のアミノ酸に置き換えたときの働きを調べ、6種類のアミノ酸置換が酵素活性を向上させることを見出した。また、それらのアミノ酸置換を多重に組み合わせた新たな酵素(AAR多重変異体)を作製し、評価した結果、炭化水素生産量を60倍以上(置換前比)とすることが可能となり、短い炭素鎖を持つ(凝固点が低く、凍りにくい)炭化水素を効率よく生産できることが明らかになったという。

情報源 東京大学 プレスリリース
機関 東京大学
分野 環境総合
キーワード 炭化水素 | 東京大学 | 酵素 | シアノバクテリア | 油脂 | ラン藻 | AAR | アミノ酸配列 | アシル | 酵素活性
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