「環境要因と人間の健康との関わりの解明」(中館俊夫教授)

昭和大学医学部衛生学講座

研究内容

磁性を利用した肺磁界測定(肺に吸い込んだ粉じんの測定)

モルモットの肺の機能を測定する

炎症発がんにおける一酸化窒素の役割

テーマ:
環境要因と人間の健康との関わりの解明
概要:
種々の環境要因が人間の健康にどのような影響を及ぼすのか、その可能性や程度を明らかにすることで、人間の健康に対する悪影響を未然に防止するための、予防医学・環境保健医学研究を行っています。
現在の環境の現状が私たちの健康状態に悪影響を与えているかどうかを調べる疫学研究(フィールド研究)として、断熱材や建材などに使われてきたアスベスト、殺虫剤として広く使われてきた臭化メチル、環境ホルモンの一種で食器などから溶出するビスフェノールAなどについて、実際にそれが使われている場所に出かけて、環境の状況の測定と人の健康調査を行ってきました。最近は、一般家庭にも普及してきているプリンタなどの事務機器から発生する空気中の微粒子や有機化合物蒸気の健康影響についてフィールド研究を行っています。
また研究室内で行う実験研究として、環境要因がその発生において一つの重要な寄与因子となっている「がん」に関して、その発生のメカニズムに関連して、特に炎症によるがんの発生の促進や発がん毒性の評価方法を中心に、培養細胞や実験動物を用いた研究を行っています。
キーワード:
空気環境, 化学物質, 炎症発がん, 疫学研究, 毒性学研究
学部体系:
医療・保健衛生系(医療・保健衛生系)
研究分野:
健康・化学物質(化学物質管理・リスクコミュニケーション, その他健康・化学物質関連)

研究室概要

肺から検出されたアスベスト繊維。炎症発がんの代表例とされています。

小学生の尿中ビスフェノールA濃度の変化(同一集団の1年生、3年生、6年生時点の追跡結果。単位はng/mgクレアチニン)

大学・研究室名
昭和大学医学部衛生学講座
【研究室の特色・PR】
医学部では一般の理系学部と異なり、学部最終学年での研究室配属、卒業研究論文作成はありません。その理由は、まず医師として十分な知識、技術、態度を習得することが医学部における学習の目的であり、そのために、卒業研究の代わりに、大学病院の病棟や外来で、患者さんの診療の実際を学ぶ実習を行っているからです。
一方研究室では、大学院生を受け入れ、博士学位論文のための研究指導を行っています。大学院は医学研究科ですが医師以外にも、種々のバックグラウンドの方が入学して研究を行っています。本学では社会人大学院も設けられているので、社会人としてご自分の仕事をしながら学位を目指す方も増えています。
環境は遺伝、ライフスタイルとともに病気の発生要因としてとても重要な役割を持っていますから、環境と健康のかかわりを明らかにすることは私たちの健康を守る上で大変重要です。多くの方にこの分野に興味を持ってほしいと思います。
【先生のプロフィール】
氏名:
中館俊夫
出身大学:
慶應義塾大学医学部
出身大学院:
慶應義塾大学大学院医学研究科
卒業研究のテーマと概要:
学部:なし
大学院:肺機能検査法としての呼吸器インピーダンス測定に関する研究
職歴など:
昭和57年4月〜58年3月 慶應義塾大学医学部助手(衛生学公衆衛生学)
昭和58年4月〜平成元年3月 労働省産業医学総合研究所研究員、主任研究官
平成元年4月〜11年3月 東京女子医科大学講師、助教授(衛生学公衆衛生学)
平成11年4月〜 昭和大学医学部教授(衛生学)
研究室HP:
http://www10.showa-u.ac.jp/~hpmed/
【所属学生の人数】
大学院生2人
【研究室連絡先】
東京都品川区旗の台1-5-8
03-3784-8137

先生からのメッセージ

現在高校生で医学部を目指している方は、良き医師になりたいという強いモチベーションを持っていると思います。ですから入学したら、まず人間の健康と疾病のことを十分に学び、医師としての力を養ってほしいと思います。その上で環境と健康のかかわりに興味を持ったら、是非大学院に進学してください。環境要因は遺伝、ライフスタイルと並んで病気の発生に重要な役割を持っていますから、環境と健康のかかわりを明らかにすることは私たちの健康を守る上で大変重要です。環境の中の人間という広い視野から、健康や病気の問題を研究してみたいという方が増えることを期待しています。

(2009年1月現在)

関連リンク

分野:健康・化学物質

探究ノート
物質の成り立ちと変化
大学研究室紹介
健康・化学物質分野を対象にしている研究室一覧