AGC、薄くて長持ちする燃料電池電解質膜の開発に成功

AGC(株)(旧:旭硝子(株))は、燃料電池の電解質膜の層厚を1/5(従来無補強膜比)にしつつ、5倍以上の耐久性(乾湿サイクル耐久性)を持たせることに成功した。燃料電池の発電出力を向上させるために、電解質膜の抵抗を減ずる「薄膜化」技術が有効と考えられている。しかし、電解質膜の層厚とその耐久性はトレードオフの関係にあるため、薄膜化と同時に電解質膜材料の補強が必要であった。同社の要素技術は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)における「超薄膜化・強靱化『しなやかなタフポリマー』の実現」」プロジェクト(2014~2018年)の成果のひとつで、電解質膜の破壊挙動に関する基礎的検討、劣化メカニズムの解明などの取組をベースに開発されたもの。新たなコンセプトによる電解質ポリマーの創出することで、トレードオフ関係からの脱却を図り、燃料電池スタックの30%小型化や燃料電池システムの簡素化に資する、無補強かつ高性能な電解質薄膜を実現したという。

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