アメリカ海洋大気庁(NOAA)などの英米の科学者らは、ジクロロメタンがオゾン層を破壊するおそれがあるとする研究成果を発表した。ジクロロメタンは塩素系の工業溶剤で、塗装剥離剤として使用される。モントリオール議定書はオゾン層を破壊する塩素系化学物質を規制しているが、対象はクロロフルオロカーボンなどの長寿命物質で、ジクロロメタンは短寿命のため規制対象になっていない。しかしジクロロメタンの濃度上昇が続くと議定書の規制による改善効果を相殺し、オゾン層の回復を遅らせる可能性があるという。研究者によると、ジクロロメタンの大気中濃度は1990年代末には漸減していたものがその後上昇に転じ、2000年代初頭以降倍増している。現在のところはこれによるオゾン層の破壊は非常に緩やかだが、将来の濃度がどのように変化するかは不確実だという。科学者らは、ジクロロメタンなどのモントリオール議定書対象外の化学物質による成層圏オゾンへの脅威の増大に気を配る必要があるとしている。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 地球環境 健康・化学物質 |
キーワード | NOAA | オゾン層 | アメリカ海洋大気庁 | モントリオール議定書 | 破壊物質 | ジクロロメタン | 大気中濃度 |
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