国内ニュース


 東京大学など、「遺伝子集積(遺伝子スタッキング)」で環境ストレス耐性植物の開発に接近

発表日:2018.10.04


  東京大学、マックス・プランク研究所(ドイツ)および理化学研究所の研究者グループは、複数の遺伝子を1つの植物系統に組み入れる「遺伝子集積」を用いて、植物の環境ストレス耐性の向上と成長を両立させることに成功した。干ばつ(乾燥)にさらされた植物体内では環境ストレス耐性の獲得と共に、成長を抑制する仕組みが機能する。乾燥ストレス耐性作物の減収の軽減・防止に向けて、こうしたトレードオフの関係を打破することが課題となっている。同研究グループはシロイヌナズナに乾燥ストレス耐性遺伝子と成長促進遺伝子を集積し、形質転換した二重過剰発現体を作成し、植物体レベルの試験と分子レベルの解析を行った。その結果、1)二重過剰発現体では乾燥ストレス耐性と凍結ストレス耐性が向上し、2)バイオマス量の増加や花成の早期化が確認され、3)2つの遺伝子の発現量や浸透圧調節物質の蓄積量の変化が明らかとなった。今後、イネやダイズなどによる評価も行い、新たな環境ストレス耐性植物の創出につなげたいという。

情報源 東京大学大学院農学生命科学研究科 プレスリリース
機関 東京大学
分野 環境総合
キーワード バイオマス | 理化学研究所 | 東京大学 | シロイヌナズナ | マックス・プランク研究所 | 遺伝子集積 | 環境ストレス耐性 | 二重過剰発現体 | 花成 | 浸透圧調節物質
関連ニュース

関連する環境技術