（株）リグノマテリア、森林総合研究所、東京工科大学、マナック（株）ほか3社からなる共同事業体は、改質リグニン製造実証プラント（以下「パイロットプラント」）を竣⼯した。改質リグニンは樹木に含まれている「リグニン（組成割合：20～35％）」を原料とする新素材で、耐熱性が高く、⽯油化学製品では達成できない環境適合性を併せ持っている。森林総合研究所がベンチプラントによる検証を行い、「スギ」を原料とすることで工業材料化が可能となり、基本プロセスが確立された。改質リグニンを利用した繊維強化プラスチック（FRP）は、既に⾃動⾞の外装等に採用されており、電子基板材料としての需要も高まりつつある。パイロットプラント（生産能力：年間100トン）はバイオマス発電所の廃熱を利⽤するメリットを想定し、同発電所の隣地に築造されている（茨城県常陸太田市宮の郷工業団地内）。今後、連続運転試験を進めるとともに、産業界に対するサンプル供給を視野に入れた本格的な生産に取り組む。世界初の試みであり、全国の中⼭間地域への展開が期待できるモデル工場になり得るという。