約20年間の調査で見えた外来種の拡大と気候変動の影響
発表日:2024.10.01
環境省は、「モニタリングサイト1000第4期とりまとめ報告書概要版」および「モニタリングサイト1000里地調査2005-2022年度とりまとめ報告書」を公表した。これらの報告書は、重要生態系監視地域モニタリング推進事業(モニタリングサイト1000)の一環として、20年間にわたる調査データを分析し、日本の自然環境の変化を明らかにしたものである。---「モニタリングサイト1000第4期とりまとめ報告書概要版」では、身近に見られる生き物の減少傾向、気候変動の影響、外来種の拡大などが報告されている。具体的には、里地や森林・草原でのスズメやヒバリの減少、内陸湿地や沿岸域でのシギ・チドリ類の減少、小島嶼でのカモメ類の減少が確認された。また、気候変動の影響として、高山帯でのハイマツの生長量の増加や、森林での暖かい地域を好む樹種の増加が見られた。さらに、外来種の拡大として、ガビチョウやソウシチョウの分布拡大が報告されている。---「モニタリングサイト1000里地調査2005-2022年度とりまとめ報告書」では、日本の里地里山におけるチョウ類、鳥類、植物の減少傾向や、外来種や大型哺乳類の分布拡大、気候変動の影響が示されている。調査結果は保全活動に活用されており、地域ごとの取り組みによって回復が見られる事例も報告されている。---環境省は、これらの報告書を通じて、生物多様性の保全を促進するとともに、今後も全国での自然共生サイトの認定を進める方針である。
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