IPCC・IPBESに続く第3の国際環境パネル(ISP-CWP)設立
発表日:2025.06.24
環境省は6月20日、ウルグアイ・プンタデルエステで開催された政府間会合において、「化学物質、廃棄物及び汚染に関する政府間科学・政策パネル(ISP-CWP)」の設立が正式に採択されたことを発表した。本パネルは、気候変動分野のIPCC、生物多様性分野のIPBESに続く、第三の政府間科学・政策パネルとして位置づけられる。
ISP-CWPは、化学物質・廃棄物の適正管理および汚染防止に関する科学的知見を政策に反映させることを目的とし、以下の5つの機能を担う:①課題の特定と対応策の提示(ホライズンスキャニング)、②現在の課題に関する評価、③科学的研究のギャップ特定と科学者・政策決定者間の連携、④途上国との情報共有、⑤キャパシティ・ビルディング。
この設立に至るまでには、2022年の国連環境総会(UNEA5.2)での決議採択を皮切りに、公開作業部会(OEWG)による5回にわたる議論が重ねられた。2025年6月15日からのOEWG3.2および政府間会合にて設立提案が最終化され、正式な採択に至った。日本はこのプロセスにおいて積極的な貢献を果たした。政府間会合では環境省の松澤裕地球環境審議官が共同議長を務め、OEWG3.2では日本代表が交渉会合の議長を担当した。また、国立環境研究所の鈴木規之フェローが設立提案の最終化に継続的に関与した。
ISP-CWPの組織構造は、ビューロー、学際的専門家委員会、事務局、信託基金、専門家チームなどから構成され、国際機関や戦略的パートナーシップとの連携も想定されている。──今後、科学と政策の橋渡し役として、グローバルな環境課題への対応を支える基盤となることが期待される。
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