西南極氷床は世界平均の3倍の速さで温暖化、アメリカ科学者チームが報告

発表日:2012.12.24

アメリカ科学者チームは、西南極氷床(WAIS)の西部で、温暖化が世界平均の3倍の速さで進んでいるとの研究論文を発表した。研究では、西南極の中央に位置するバード基地の観測記録をもとに、大気モデル等を用いて欠測データを補完し、解析を行った。その結果、年間平均気温が1958年以降2.4℃上昇、これまで示唆されていた上昇幅の約2倍であることが判明した。また初めて南極の夏期(12~2月)における温暖化が明らかになった。西南極で温暖化が続くと、氷床の表面質量収支が崩れ、海面を更に上昇させるおそれがある。氷床消失が大量でなくても、氷床表面の融解によって、氷が海へ流失するのを抑える棚氷が崩れやすくなり、海面上昇に間接的な影響を及ぼす。特にWAIS底部は海面より低いため海水温上昇の影響を受けやすく、現在WAISの融解による海面上昇は年間0.3mmほどになり、グリーンランドに次いで影響が大きいという。しかし、西南極の研究は遅れており、信頼性の高い気象観測ネットワークの構築が必要だと、科学者らは指摘している。

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