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 アメリカの科学者ら、海水温の上昇と代謝亢進による酸素不足で海洋生物の分布が変化すると予測

発表日:2015.06.04


  地球温暖化で海水温が上昇すると、熱帯海域での海洋生物の生息域が減少するという研究結果を、アメリカのワシントン大学などの研究者らが発表した。海水温が上昇すると海洋生物の代謝が高まり、必要な酸素量が増える一方、海水に溶け込んでいる酸素は水温上昇で減少するため、生物は酸素不足になるという。研究チームは、必要な水温と酸素量が実験ですでにわかっているタラ、カニなど大西洋の生物4種を選び、気候モデルを使って、2100年までに予想される水温と酸素量の変化がこれらの生物にどう影響するかを調べた。海洋表層の水温は2100年までに数℃上昇、その水温での酸素量は現在より5~10%減少すると予測される。その結果、現在の生息域のうち赤道付近はピーク時の必要酸素量が供給量を上回るため生息不可能となり、分布域の14~26%が赤道付近から他の海域へ移動することがわかった。これまで海洋科学者は、酸素をデッドゾーンのような極端な現象を通してとらえていたが、この研究で、生物への日常的な制約要因となることがわかったという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 自然環境
キーワード 海洋生物 | 地球温暖化 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 酸素 | 海水温 | 熱帯 | 生息域 | 水温上昇
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