イギリス自然環境研究会議(NERC)は、史上最大規模の国際的な北極調査である「ドリフト学際観測拠点による北極気候研究」(MOSAiC)にイギリスの科学者が参加すると発表した。調査は、北極の温暖化が世界平均の2倍の速さで進む理由等、北極の気候システムの総合的解明を目的とし、2019年9月から2020年9月の間に17ヶ国600人の研究者が参加して、海氷に閉じ込められた状態で海氷の流れにのって漂流(ドリフト)するドイツの観測砕氷船ポーラーシュテルンとその周辺に設営された氷上のモニタリング拠点で実施される。今回、NERCは180万ポンドを海塩エアロゾルの気候への影響、氷原の季節変化、海氷中と外洋の珪藻類の生態比較等をテーマとする6グループの研究に助成する。MOSAiCは、国際北極科学委員会(IASC)のもとでドイツのアルフレート・ヴェーゲナー研究所(AWI)、ロシア北極・南極研究所(AARI)、コロラド大学が中心となって実施する1億2000万ユーロのプロジェクトである。