フランス政府は、内分泌撹乱物質(PE)への国民の曝露と環境のPE汚染を低減することをめざす第2次国家戦略(SNPE2、2019~2022年)を公表した。戦略には3つの軸がある。1)情報と訓練(リスクについての情報普及活動、保健・子どもに関わる専門家や自治体職員への優良実践方法の訓練、PEの影響を特に受けやすい妊婦と乳幼児のための実践的アドバイスをまとめたウェブサイト開設、欧州各国とのPEのリストを共有・公表等)、2)環境・生態系を含めた調査と対策(大気、水、土壌など環境へのPEの拡散状況データの収集・公開、野生生物へのPEの影響に関する知見強化。産業界には、日常的に使う製品に含まれるPE効果のある物質の代替を促す)、3)研究調査の推進による知識の拡充(リスク管理や規制、予防・処置に関する研究等)。人間の生体内のPEを測定した初の調査では、初期的な結果としてPEがフランス人にも広く拡散していること、子どもは大人より濃度が高いことが示され、化学物質への曝露抑制対策の必要性が示されたという。