世界経済フォーラム(WEF)は、ダボス会議に先立って「グローバルリスク報告書2020年版」を公表し、今後10年間に起こりうる世界的なリスクの発生確率の高さに関して、初めて上位5位全てを環境関連のリスクが占めたと報告した。これらは順に、「極端気象」、「気候変動の緩和・適応の失敗」、「自然災害」、「生物多様性の損失と生態系の破壊」、「人為的な環境災害」である。「気候変動の緩和・適応の失敗」のリスクは、影響・被害の大きさとしては1位に挙がっている。また、2020年に増大すると考えられる短期的なリスクについては、上位5位までに2つの環境関連リスクが入った(「極端な熱波」と「生態系の破壊」)。こうした内容は、WEFのネットワークを構成する政財界のリーダーや学界、NGO等の代表者ら約800人を対象に実施した調査に基づいている。同報告書は、こうした脅威に対する備えや対策の必要性を訴えるとともに、パリ協定に基づく温室効果ガス(GHG)排出削減の取組において2020年は非常に重要な年だと指摘している。