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 極地研など、約80万年前の海洋構造の変遷について解明

発表日:2019.11.29


  国立極地研究所、茨城大学などの研究グループは、千葉県市原市の地層に含まれる有孔虫の化石の酸素同位体分析を行い、海洋環境の変遷について新たな知見を得たと発表した。同研究チームは、2015年から2019年にかけて、千葉複合セクション(千葉セクション:約80万年前から75万年前)で岩石試料を採取し、同試料から産出する有孔虫(海底に生息/海中を浮遊)の化石の酸素同位体値(時間分解能:30~540年)を調べた。その結果、周辺海域において、気候変遷期(氷期から間氷期および間氷期から氷期)に、極端な水温の変化(最大で推定7℃)が繰り返し起きていたことが明らかになったという。また、北半球の氷床の融解がもたらす大西洋の深層水循環の衰退が、大気循環の変化を介して黒潮の北限を南下させることで周辺海域の水温が低下したと考えられた。この結果は、北大西洋で起こる海洋変化が、北西太平洋の海洋環境を大きく変化させる可能性を示しているという。

情報源 国立極地研究所 研究成果
機関 国立極地研究所 茨城大学 国立科学博物館
分野 地球環境
キーワード 水温 | 地層 | 海洋環境 | 茨城大学 | 千葉県 | 国立極地研究所 | 市原市 | 有孔虫 | 酸素同位体分析 | 千葉セクション
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