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 理研など、微生物を用いたクモ糸様ファイバー構造の一貫生産プロセスを創出

発表日:2020.07.08


  (国研)理化学研究所と京都大学の研究チームは、紅色光合成細菌を用いてクモ糸の主成分であるシルクタンパク質(MaSp1)を合成し、化学的処理を加えてクモ糸様ファイバー構造物質を得ることに成功した。クモが獲物を捕まえるときなどに放つ「牽引糸」は軽量でありながら鉄以上の強靭さを持っており、高い強度が求められる素材開発などへの応用が期待されている。同研究チームは、人工的かつ効率的にクモ糸を再現するために、ジョロウグモのMaSp1をコードする遺伝子配列を紅色光合成細菌に導入し、最適化することでMaSp1を発現させることに成功した。また、この手順を9Lジャーを用いた培養に展開したところ約10 mgのMaSp1が得られ、さらに有機溶媒に溶解・延伸することでクモ糸様のファイバー構造を再現できることが分かった。人工海水にCO2に見立てた炭酸水素ナトリウムや窒素ガスを加えた培地での抽出に成功していることから、培養条件の最適化などを経て、天然資源を利用した物質生産モデルプロセスへの発展が期待できるという。

情報源 理化学研究所 研究成果(プレスリリース)
京都大学 研究成果
機関 理化学研究所 京都大学工学部・大学院工学研究科
分野 環境総合
キーワード 理化学研究所 | 京都大学 | 光合成 | 細菌 | 新素材 | クモ糸 | シルクタンパク質 | MaSp1 | ファイバー | ジョロウグモ
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