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 信州大と京大など、ゲート吸着を活用したCO2分離回収技術の優位性を実証

発表日:2020.08.04


  信州大学、京都大学を中心とする研究グループは、ゲート吸着剤の活用によってCO2吸着分離技術の大幅な効率向上が期待できると発表した。ゲート吸着剤は、結晶構造の柔軟性を有する多孔性材料で、吸着分子の圧力に応じて膨張・収縮(細孔を開閉)する。同大学は、ゲート吸着剤の一種「ELM-11」に関して、雰囲気ガス中のCO2濃度に応じた圧力がある閾値を超えた時に発生する急激な構造変形やステップ状の吸着挙動の解明に向けた研究を進めてきた(Hiraide,S. et al., 2015)。今回、ELM-11の応用研究の一環として、大型放射光施設SPring-8において粉末X線回折測定(0.05秒間隔)で実施し、さまざまな温度・圧力下における膨張(ゲート開閉)のモデル化を行った。ELM-11が高圧ガスの高速度処理に適しているという予測結果が示されたことから、メタンとCO2の成分比がほぼ等しい高圧ガスの吸着実験や、多角的な数値計算を行ったところ、従来型の吸着剤よりもCO2の選択性・回収効率が優れており、膨張に伴う冷熱発生により温度上昇を抑制する「自己熱補償能」を有することが示されたという。

情報源 信州大学 Topics
京都大学 研究成果
日本製鉄(株) プレスリリース(PDF)
(公財)高輝度光科学研究センター 研究成果
機関 信州大学 京都大学 日本製鉄(株) (公財)高輝度光科学研究センター
分野 環境総合
キーワード SPring-8 | 京都大学 | CO2分離 | 信州大学 | 多孔性材料 | ゲート吸着剤 | CO2吸着 | ELM-11 | 粉末X線回折測定 | 自己熱補償能
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