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 阪大、重金属の除去等に応用できる「海苔」様の吸着材を開発

発表日:2020.11.26


  大阪大学の研究グループは、ナノサイズの海苔のようなシート構造を持つ「層状チタン酸ナトリウム」の合成に成功した。「層状チタン酸ナトリウム」は、水中に存在する多様な重金属や放射性物質を内部に取り込み除去することが可能であり、除去材として使用されている。その主な除去の反応機構は結晶構造中のナトリウムイオンと水中の重金属や放射性物質の陽イオンとのイオン交換反応と考えられていたが、その詳細な収着機構や、多数存在する結晶構造がどのような材料構造に最適なのかなど、未解明の部分もあった 。今回、同研究グループは、強アルカリ水溶液を使った水熱合成法を用いて、添加剤や界面活性剤を一切加えず、層状チタン酸ナトリウムナノファイバーが複雑に「海苔」のように絡み合ったシート構造体を合成した。このシート構造は、一枚のシート結晶と比較し、表面積が大きくなり、イオン交換の反応量が増加すると考えられ、実際に、重金属(コバルトイオン)の除去試験を行い高い除去特性を確認した。これら成果は、重金属・放射性物質除去材への応用が期待できるとともに、イオン交換反応を利用した電池材料などへの展開も期待されるという。

情報源 大阪大学 ResOU
機関 大阪大学
分野 水・土壌環境
環境総合
キーワード 重金属 | 大阪大学 | 放射性物質 | ナノサイズ | シート構造 | 層状チタン酸ナトリウム | 除去材 | イオン交換反応 | 表面積 | コバルトイオン
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