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 メタン漏洩のトップダウン計測、JOGMEC・ANA/JAXAの共同FSが始動

発表日:2022.11.24


  エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、全日本空輸株式会社(ANA)および宇宙航空研究開発機構(JAXA)と航空機等を活用したメタン測定技術調査事業を開始する。2021年9月の主要国経済フォーラムにおいて、米国のバイデン大統領は世界全体のメタン削減目標を盛り込んだ提言「グローバル・メタン・プレッジ」を発表した。欧州、米国を中心にメタン排出削減に係る政治的機運が高まる中、本邦の石油天然ガス産業等においてもメタン漏洩の管理方法やモニタリング手法の導入検討が活発に議論されている。こうした情勢をかんがみ、JOGMECは「LNG・水素・アンモニアの温室効果ガス排出量及びCarbon Intensity算定のための推奨作業指針」を策定し、2022年5月に公表した。LNG等のプラント・システムでは、ボイラーや遊離ガスの焼却(フレア)に加え、原料輸送・製造プロセスからGHGが排出される。なかでも、プロセスのメタン漏洩は、リーク源(配管のバルブやフランジ等)の数や箇所が多く、直接測定することが難しい。同指針では、人工衛星やドローン等を用いたサイトや地域における包括的な観測(トップダウン計測)の課題(例:計測可能下限値、不確実性など)に言及している。一方、ANAは2020年9月よりJAXAと共に都市域におけるGHG排出量を、交通・産業などの発生源別に評価することを目指し、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」の観測技術を応用した観測機器を旅客機へ搭載し、GHGの観測・解析を行う、「ゴーブルー(GOBLEU: Greenhouse gas Observations of Biospheric and Local Emissions from the Upper sky)プロジェクト」を推進している。本事業では、GOBLEUプロジェクトの成果とノウハウを活用し、航空機を改修することなく地表面のメタン測定を可能とする手法と、ドローンを用いたトップダウン手法によるメタン測定手法のFSに取り組む。JOGMECがANAに業務委託し、JAXAが共同調査に協力するという枠組みで、開発手法の社会実装を目指す。

情報源 エネルギー・金属鉱物資源機構 ニュースリリース
全日本空輸(株)プレスリリース
機関 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 全日本空輸(株) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
分野 地球環境
環境総合
キーワード GOSAT | メタン | いぶき | ドローン | グローバル・メタン・プレッジ | 石油天然ガス産業 | メタン漏洩 | LNG・水素・アンモニアの温室効果ガス排出量及びCarbon Intensity算定のための推奨作業指針 | トップダウン計測 | GOBLEU
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