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 世界最高水準の分解能!バイオマス燃焼によるCO2等放出量インベントリ

発表日:2023.01.24


  「地球環境データベース(GED)」は、「陸域生態系火災起源のバイオマス燃焼による全球の微量気体等の放出量のデータセット(Global Biomass Burning Emissions Inventory: GBEI)」を公開した。GEDは、地球環境問題に関する自然科学・社会科学分野の研究で得られたデータや成果を収集・整備し、公開する基盤データベース(運営:国立環境研究所地球システム領域・地球環境研究センター)。同センター(略称:CGER: The Center for Global Environmental Research)発足当初の構想に基づいて前身システムが整備され、2010年にオリジナルデータベースとしての原型が構築された。近年では、リアルタイムデータ・解析ツール・各種データセットの充実化はもとより、オープンサイエンスや研究成果の一般への発信を意識した取り組みを積極化している。GBEIは、陸域植生のバイオマス燃焼により放出される温室効果気体やエアロゾルに関する一連の研究(e.g. Shiraishi, T. et al., 2021)を踏まえて作成された月別データセット。衛星観測から得られた土地被覆情報、地上バイオマス・火災燃焼面積の情報に基づいており、データの不確実性を軽減するために大気輸送モデル実行結果との比較検証を経て、推計されている。GEDのホームページ上で、全球のCO2、CO、メタン(CH4)放出量に係る気体ごとのデータ(空間分解能1 km)と3物質(緯度・経度1度格子)の年別データセットがダウンロードできる(対象期間:2001~2021年)。本成果は、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)、同2号機(GOSAT-2)観測データを使用したCO2およびCH4収支の推定に使用される(予定)。今後、ブラックカーボン放出量の追加や毎年のデータ更新、入力データや計算方法、検証方法の精査などに取り組み、データのさらなる高精度化を目指す、という。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所
分野 地球環境
キーワード CO2 | メタン | エアロゾル | 森林火災 | ブラックカーボン | 温室効果気体 | CO | バイオマス燃焼 | 地球環境データベース | 地球環境研究センター
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