英米の研究チーム、サンゴ幼生の海洋移動を初めて地球規模のコンピュータモデルで予測
発表日:2013.08.22
イギリスのブリストル大学とアメリカのマイアミ大学による研究チームは、数ミリ程度のサンゴの幼生が、世界の海をどのように移動し分散していくかを初めてコンピュータで再現した。その結果から、広大な大洋を渡りきる幼生もいることが示唆されたという。サンゴの成体は海底に固着しているため、有害な環境条件から逃れたり損傷したサンゴ礁を再建したりするには、幼生を海流に乗せて分散させるしかない。他から遠く離れたサンゴ礁は、幼生の新たな供給源が近くにないため、損傷に対しては特に脆弱になる。危機に瀕しているサンゴ礁の保全にとって、幼生がどこに定着するかは重要な問題だが、その移動を実際に追跡するのは不可能である。今回の研究では海流データを用いて幼生の定着地を予測し、過半数が生まれた海域近くに定着するものの、なかには東太平洋のサンゴと中部太平洋諸島のサンゴを隔てる5000キロメートルもの大海を渡りきるものもあるとの結果を得た。この研究は、海洋の変化でサンゴ礁の分布が将来どのように変わるかを予測するのにも役立つという。
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