IPBES、土地劣化は32億人に悪影響を及ぼしているとする評価報告書を公表
発表日:2018.03.26
生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、土地の劣化と再生に関する評価報告書を公表した。それによると、人間活動による土地劣化が深刻化し、世界の32億人の福利に悪影響を及ぼしている。土地劣化の最大の直接的原因は、農地・放牧地の急激な拡大や持続不可能な管理だという。背景には、資源を過剰に消費する先進国の生活様式、途上国の人口・消費増、都市化などがある。これは、生物多様性の減少と生態系サービス(食糧安全保障、水質浄化、エネルギー供給など)の著しい低下を招き、多くの地域で危機的レベルに達している。人間活動の著しい影響を免れた土地は地球上の25%に満たず、2050年までに10%未満に減少するとみられる。土地劣化は、森林や土壌を損ないその炭素放出を促すため気候変動の主要因でもある。森林減少だけでも人為起源の温室効果ガス排出の約10%に相当する。報告書は、あらゆる生態系で土地劣化の防止と再生の方法はあり、再生の便益は費用の平均10倍と経済的合理性もあるとしている。
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