国立科学財団、米西海岸におけるケルプの森の崩壊を回復させるのは容易ではないと報告
発表日:2021.03.17
国立科学財団(NSF)が助成した研究によると、カリフォルニア州北部沿岸のケルプの森が95%以上減少して、ムラサキウニが大繁殖する海に変わったが、この減少は緩やかなものではなく、2014年に始まった米国西海岸での異常な海洋温暖化の余波を受けて、生態系が突然崩壊して壊滅的な打撃を受けたことが明らかになった。このケルプの森は、過去に発生した海洋温暖化とエルニーニョ現象には耐えていたが、ウニの主要な捕食者であるニチリンヒトデが感染症の蔓延でいなくなると、ケルプの森における生態系の回復力が急激に低下した。ケルプは、冷たい深層水の強い湧昇流が海岸沿いに栄養分をもたらすことで成長するが、海の熱波やエルニーニョ現象は沿岸の湧昇流を抑制し、水温の上昇と低栄養状態を生じさせ生育を悪化させる。過去に減少が起きた際は回復できたが、今回は海洋温暖化とヒトデの減少が相まってウニの増加を招き、回復を難しくしている。
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