国連環境計画、農業用プラスチックによる土壌汚染の問題を指摘
発表日:2021.12.03
国連環境計画(UNEP)は、農地の土壌には、海よりも大量のマイクロプラスチックが混入している可能性があるという研究結果を発表した。温室用のパネルなど、あらゆるものが徐々に劣化していく過程で生じるこのプラスチックは、世界中の土壌に溶け込み、土壌の質を低下させ、食物連鎖にも影響を与えている。農業用プラスチックは生育期間の延長や、悪天候からの植物の保護などの効果があり、収穫量を最大60%まで高めることができる一方、プラスチックの一部が最終的にはナノ粒子にまで分解され、土壌や地下水に浸出する可能性がある。分解されたプラスチックが食物連鎖の中に蓄積されることを示唆する研究もあり、人間の臓器、最近では脳にマイクロプラスチックが存在することが確認されている。土壌中のマイクロプラスチックを検出する標準的な方法の開発や、生分解性プラスチックのような素材開発などにより、農業用プラスチックを減少させる必要がある。
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