アメリカ環境保護庁(EPA)、製鉄所からの水銀排出量削減のための大気排出基準を公表
発表日:2007.12.17
アメリカ環境保護庁(EPA)は、製鉄所からの水銀排出量削減のための大気排出基準を新たに公表した。この基準は、電気炉(アーク炉)により鉄スクラップをリサイクルしている製鉄所に対し、自動車のスクラップを購入する際には、EPA承認による「全国自動車水銀スイッチ回収プログラム」に参加している業者から購入するように求めるもの。水銀スイッチは、2003年以前に製造された自動車の多くで、ボンネットやトランクの照明、あるいはアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)等に使用されており、水銀スイッチ回収プログラムでは、製鉄原料として廃車がプレス・破砕・溶融される前に、水銀スイッチをあらかじめ除去することを呼びかけている。今回の排出基準の対象となるのは、大気中に排出する有害物質が、単独物質で年間10トン以内または複数物質の組み合わせで25トン以内という、比較的小規模な施設である。この基準により、大気中に排出される水銀が年間約5トン削減されると期待され、その他の有害金属(鉛、マンガン、ニッケル、クロムなど)も年間約52トン、粒子状物質は年間約865トンの排出削減が期待できるという。
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