（独）宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」（ALOS-2）により、平成26年9月27日に噴火した御嶽山の緊急観測を実施した結果を発表した。「だいち2号」に搭載されているLバンド合成開口レーダ（PALSAR-2）は、Lバンド（1.2GHz帯）という波長が長い電波により観測するため、同レーダにより噴煙を透過して火口の様子を捉えることができる。今回の観測は、JAXAと防災関連機関との間の、災害に関する衛星情報提供協力の枠組みにより、火山噴火予知連絡会（事務局：気象庁）及び内閣府（防災担当）からの要請により行ったもので、データを噴火前後の地形変化や降灰状況の確認などのために提供。噴火前の8月18日と噴火後の9月29日の山頂付近の画像を比較した結果、噴火前には無かった長さ210m、幅70mほどの窪みができている様子を捉え、今回新たに形成された噴出口（火孔）と思われるという。また、御嶽山山頂の火口の周辺に降灰堆積が多く分布することが推察されるという。