産業技術総合研究所は、東京大学と共同で、青色顔料の一つであるプルシアンブルーが、一般的なアンモニア吸着材より高い吸着能を持つことを発見した。現在、アンモニア吸着材としては、活性炭、ゼオライトなどが利用されている。しかし、再利用が困難な吸着剤が多く、低濃度アンモニアの吸着能が低いなどの課題がある。今回、多孔性配位高分子を利用した有害物質の除去に関する研究開発の流れのなかで、プルシアンブルーやプルシアンブルーに含まれる金属を他の金属で置換するとともに欠陥量を増加させた類似体（プルシアンブルー類似体）のアンモニア吸着能の評価を行った。その結果、プルシアンブルー類似体では、アンモニア吸着量が増加し、空気中の「臭わないレベル」の低濃度アンモニアを吸着できることが確認された。また、プルシアンブルー類似体はいったん吸着したアンモニアを放出させて、再利用できることも確認され、悪臭防止対策、PM2.5の発生抑制技術などに応用できるという。