北海道大など、耕作放棄地の鳥類生息地としての評価に関する研究成果を発表
発表日:2018.07.25
北海道大学と(国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所の研究グループは、耕作放棄地の鳥類生息地としての評価に関する研究成果を発表した。耕作放棄地は生物を保全する機能を有するとされているが、詳細な現地調査や森林などとの比較検討を目的とした研究は行われていなかった。同研究グループは、北海道中央部に耕作放棄地を含む調査地点を48カ所選び、4つのグループ(湿地性、草地性、農地性、森林性)の鳥類の生息数を、6つの土地利用タイプ(湿地、草地、湿性放棄地、乾性放棄地、農地、森林)ごとに調査し、耕作放棄地の植物種や周辺に開放されている面積による影響などを解析した。その結果、耕作放棄地に生息する鳥類の個体数と土地利用タイプとのさまざまな傾向や、周囲の開放地の面積割合が高いほど一部の鳥類の個体数が増加傾向にあること等が明らかとなった。森林性鳥類に関する補完調査や、耕作放棄の影響に関する詳細検討(地域差、時間的推移)の解明が今後の課題であるという。