JAMSTECなど、海底堆積物に埋没している鉄マンガン酸化物の存在量を評価
発表日:2019.02.06
(国研)海洋研究開発機構(JANSTEC)、高知大学、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構、(公財)高輝度光科学研究センター、愛媛大学、広島大学、高エネルギー加速器研究機構および東京大学の研究グループは、海底堆積物に埋没している鉄マンガン酸化物の存在量を見積もることに成功した。マンガン酸化物は、微生物の呼吸活動により嫌気・無酸素環境となる大陸沿岸ではなく、マンガン団塊やコバルトリッチクラストのような形で外洋の海底表層に分布している。同研究グループは2010年の研究航海で採取したコア試料(深度:3,704~5,695 m)を用いて、試料採取地点(南太平洋環流域等)の海底堆積物に酸素が溶存していることを確認している。今回、特定の微細粒子を分離する技術(新規開発)と多角的な分析技術を駆使した結果、当該試料には1)直径数ミクロンの「微小マンガン粒」が堆積物1 ccあたり1億~10億個存在しており、2)レアアースのような有用希少金属を含んでいることを発見した。酸素に富む海底下に、地層中の30~60%(重さ1.28~7.62 兆トン)に相当するマンガンや、数10億トンのレアアースが存在しているという。