明大と山形大、ラン藻が蓄積するポリヒドロキシ酪酸を増やす遺伝子を発見
発表日:2019.06.12
明治大学と山形大学の研究グループは、ラン藻のポリヒドロキシ酪酸(PHB)増産に寄与する遺伝子を発見したと発表した。ラン藻の一属である「シネコシスティス」は、窒素が欠乏すると細胞内にPHBを蓄積する光合成生物のひとつ。同研究グループは、シネコシスティスが窒素栄養状態を感知してシグナルを伝達するタンパク質に着眼し、その過剰発現株を作製し、野生株との比較や代謝産物量の解析などを行った。その結果、特に7日間窒素欠乏状態にした条件では、同株の細胞乾燥重量の約5%がPHBとなった。呼吸の活性減少や生体内回路の一部の流れが変更になった可能性が考えられるとした。今回の研究により、DNAの転写がバイオプラスチック原料の増加に有効であることが示され、光合成のみならず、炭素の代謝や有用物質生産の基礎的な理解が進むことが期待されるという。
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