埼工大ら、深谷ねぎの葉を主原料とするプラスチックを開発
発表日:2024.10.17
埼玉工業大学(埼工大)工学部・生命環境化学科の本郷教授と機械工学科の福島教授の研究チームが連携し、出荷時に破棄されるネギの葉を資源化し、バイオプラスチック材料を成形加工する技術を開発した。本郷教授らは、ネギの葉からセルロースを抽出する技術を確立し、それを複合樹脂ペレット化(ネギ由来セルロース55%、ポリプロピレン45%)することに成功した。セルロースの変換に当たっては、パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社が開発した素材(kinari)の製造技術を活用している。一方、福島教授のチームは、ネギ由来セルロース複合樹脂を石油由来樹脂と同様に成形する技術を開発し、試作品として「深谷ねぎ」をモチーフにした箸置きを作製した。---埼工大は埼玉県深谷市に立地しており、ブランド農産物である「深谷ねぎ」を年間約3万トンを出荷している。しかし、規格に合わせるために切り落とされるネギの葉は年間約6,300トンにのぼり、その大部分が畑に破棄されている。今回の技術開発により、これまで利用されていなかったネギの葉が再生可能資源として活用されることが期待される。