NEDO、産総研の開発成果を活かした蓄熱システムの試験概要を紹介
発表日:2019.08.06
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2008年に産業技術総合研究所(産総研)が開発した「無機系吸放湿材」の蓄熱性能を高め、100℃以下の廃熱を利用する際の「蓄熱材」として活用するシステム実証試験の概要を紹介した。この無機系吸放湿材は、非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性粘土の複合体で、高温空気の供給(乾燥)による熱を蓄え、湿潤空気の供給により発熱する。無機系吸放湿材を充填した「蓄熱槽」は、従来型の潜熱蓄熱材の2倍以上の性能を有し(蓄熱密度:500 kJ/L以上)、熱利用温度域が限定されないといった特長を有している。今回、高砂熱学工業(株)ほか3社と産総研が、自動車工場の廃熱(80~100℃)を回収して蓄熱槽を大型トレーラーで輸送して地域の温水プール熱源として活用するシステムや、場内空調に活用する実証試験を行う。一方、石原産業(株)ほか2社と産総研が、酸化チタン製造工場の乾燥ライン上流で高温空気の排気から熱(100℃)を回収し、下流で温風供給熱源に使う、蓄熱槽のバッチ運転の実証を行うという。