森林総研など、高温・乾燥から苗木を守る手法を開発
発表日:2021.03.01
森林研究・整備機構森林総合研究所は、マレーシアプトラ大学と共に、熱帯雨林の裸地化された土地を森林に再生するため、苗木を高温・乾燥から守る「被陰(ひいん)シェルター」を開発した。東南アジア熱帯雨林地域では、森林の乱開発によりほぼ裸地化した土地が見られ、このような土地への植栽は、高温や強い乾燥により生育することが難しかった。同研究所が開発した「被陰シェルター」は、ポリ塩化ビニルパイプを支柱とし、遮光ネット(遮光率50%、黒色)で覆ったもの。実際にマレーシアの荒廃裸地を試験地とし、在来樹種(ジェルトン、Dyera costulata)の生育状況と葉の生理的な機能を調べたところ、シェルター内の苗は、葉の生理機能が健全で葉の量も裸地の苗に比べて約1.5倍多く、樹高も最大で1.7倍高くなった。また、シェルター内は、気温・湿度共に緩和されていた。今後、気候変動により高温・乾燥ストレスが増大し、特に荒廃地ではその影響が強くなると考えられることから、同手法は、将来にわたり熱帯の森の再生に有効であるという。
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