日本型標準加速化モデル2025:標準化と認証の新・国家戦略
発表日:2025.06.16
経済産業省は、日本産業標準調査会基本政策部会の議論を踏まえ、「新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル2025-」を公表した。これは、2023年に策定された「日本型標準加速化モデル」の改訂版であり、グローバル市場における標準化競争の激化を背景に、我が国の産業政策と連動した標準化・認証体制の強化を目的としている。──「標準化」とは、製品やサービスの品質・安全性を確保するための共通ルールのことであり、「認証」はその準拠性を第三者が確認する制度である。欧州では、規格・認証がサプライチェーン全体に拡大される傾向が強まっており、日本もこれに対応する必要がある。
新たな政策では、(1)特定分野における国主導の戦略的標準化、(2)国内認証機関の強化の2点が柱となる。前者では、技術・市場の成熟度や産業横断性を基に、5つのパイロット分野を設定し、分野全体の標準化戦略を策定。経済産業省と連携し、知見を集約する「伴走組織」を設置することで、標準化の「型」化を進める。後者では、国外認証機関への依存による機微情報の流出リスクを踏まえ、国内認証機関の戦略的連携や海外展開を促進。GX-ETS(排出量取引制度)などの国内規制対応を通じて、認証基盤の強化と人材育成を図る。
これらの施策は、国際的なルール形成において日本が主導的立場を確保するための基盤整備であり、今後は他分野への展開も視野に入れている。