環境省、グリーンリストを改訂―適応分野の指標明確化と制度拡充
発表日:2025.07.25
環境省は、グリーンボンドガイドラインおよびグリーンローンガイドラインの付属書1別表、いわゆる「グリーンリスト」の改訂を公表した。これは、我が国のサステナブルファイナンス市場を健全かつ適切に拡大することを目的としたものである。
グリーンリストは、グリーンボンドやグリーンローンの資金使途として適格とされる「グリーンプロジェクト」の例示を示すポジティブリストであり、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則に準拠している。2017年の初版以降、対象分野の拡充や解説の強化が重ねられてきた。今回の改訂では、特に気候変動適応分野における環境改善効果の算出指標の明確化、環境負荷低減のための取組や認定制度の追記が行われた。
この改訂は、2024年度に設置された「グリーンリストに関するワーキンググループ」における議論を踏まえたものであり、2025年5月から6月にかけて実施されたパブリックコメントの結果も反映されている。なお、今回の改訂は過去の資金調達案件には遡及適用されない。
同省は、グリーンファイナンスの信頼性確保と普及促進のため、今後もグリーンリストの定期的な見直しを行う方針である。――資金調達者は「付属書1 明確な環境改善効果をもたらすグリーンプロジェクトの判断指針」を参照しつつ、まずは自ら評価を行い、市場においてその妥当性が評価されるというプロセスが求められている。
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