環境省は、アスベスト大気濃度調査に係る予備調査の結果を公表した。同調査は、東日本大震災で被災した住民等へのアスベストを含む粉じんのばく露防止、不安への対応及び今後本格的に実施予定のアスベスト大気濃度調査に向けた基礎情報の収集を目的とするもの。今回、平成23年4月13日～15日・18日に、宮城県・福島県及び茨城県で、1）津波による被害が甚大な地点、2）津波による被害がないものの、地震により建築物が倒壊・半壊している地点、3）避難所の周辺、4）がれき集積場、のいずれかに該当する15地点において試料を採取し、測定を行った。その結果、全ての地点で、アスベスト濃度は、通常の一般大気環境とほぼ変わらなかった。また、アスベストを含有しているスレートが見つかったがれき集積場においても、アスベスト濃度は、通常の一般大気環境とほぼ変わらなかった。なお、一般粉じんが相当程度飛散している場所もあること、被災地が乾燥していくこと、がれき処理及び建築物等の解体作業が本格的に始まること等から、防じんマスクの着用の徹底が必要であるとしている。同省では、今後実施するアスベスト大気濃度調査に関して、委員会を設置するとともに、引き続きアスベストのモニタリングを実施していくという。