アメリカ環境保護庁(EPA)は、大統領の気候行動計画の一環として、オゾン層を破壊し温暖化効果の高い冷媒の新たな代替物質を決定した。今回新たに承認されたのは、一定の用途と使用条件下でのエタン、イソブタン、プロパン、R-441A(炭化水素系混合物)、HFC-32(ジフルオロメタン)の5種で、冷蔵庫や室内エアコンに使用される。これらはすでにヨーロッパやアジアで多く使用されており、GWP(地球温暖化係数)は従来のもの(1400~4000)に比べて3~675とかなり低い。これらは代替冷媒物質に追加されたほか、HFC-32を除いては放出禁止対象からも除外するという。これまでEPAの「重要新規代替物質政策(SNAP)プログラム」は、オゾン層に安全な化学物質や技術を評価し、代替物質を承認してきた。今回の決定では、この代替物質のリストに、GWPの高いハイドロフルオロカーボン類のオゾン層破壊物質を含めた。EPA長官は、企業等と協力し、健康や環境を守るために気候に配慮した新たな冷媒を市場に投入するとしている。