韓国環境部(MOE)は、国立生物資源研究所(NIBR)などの研究チームが、高濃度のヒ素を含む鉱物残渣の毒性を効果的に引き下げる新しいタイプの細菌を発見したと発表した。ヒ素は銅や鉛、亜鉛などの金属を精製する際の副産物で、肝臓、腎臓、皮膚のがんを引き起こす毒物である。自然界では酸化物の亜ヒ酸塩またはヒ酸塩の形で存在し、前者は毒性が特に高く、後者の20~50倍とされる。新発見の細菌は韓国内の高濃度のヒ素、銅、鉛を含む強酸性土壌から採取された固有種で、高濃度のヒ素に耐え、毒性の強い亜ヒ酸塩を酸化して比較的害の少ないヒ酸塩に転換する能力が高いという。ヒ酸塩は生石灰や活性白土などの吸収材を使って比較的容易に除去できる。NIBRは、廃鉱や精錬所などの工業用地のヒ素汚染土壌の浄化に役立つよう、この細菌を使いヒ素汚染を生物学的に浄化する研究を実施するとしている。NIBRでは、国内生物資源の発見や保全に留まらず、こうした生物素材を利用する技術の研究開発活動を推進していくという。