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 アメリカ海洋大気庁、人為起源のCO2排出と巻貝の溶解の関連を分析

発表日:2016.11.22


  アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、アメリカ西海岸の海水に含まれるCO2から人為起源のCO2排出の比率を算出し、有殻翼足類と呼ばれる巻貝の殻の溶解との因果関係を分析する初の研究を行った。それによると、人為起源のCO2の濃度は表層水で最も高く、化石燃料からの排出は西海岸沿岸の表層水のCO2の約60%を占めると推定される。この濃度は海深100メートルでは21%、海深200メートルでは約18%と海深と共に低下し、場所や季節によっても変動した。CO2濃度の高い海域で採取した有殻翼足類を調べたところ、その50%以上で殻が著しく溶解していた。西海岸における有殻翼足類の殻の溶解は、産業化以前と比べ平均20~25%増加したと推定されている。有殻翼足類は殻が溶解すると泳力が落ち、捕食者から身を守る能力が低下する可能性がある。有殻翼足類は、サケ、ギンダラ、カレイなど商業的価値の高い魚類の主な餌であり、NOAAは殻の溶解が食物連鎖に及ぼす影響を解明する必要があるとしている。

情報源 アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ海洋大気庁(NOAA)
分野 地球環境 自然環境 水・土壌環境
キーワード NOAA | CO2排出量 | アメリカ海洋大気庁 | 海水 | 巻貝 | 有殻翼足類 | 溶解
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