アメリカの研究チーム、南極氷床の氷底湖で細菌がメタンを分解、大気放出を防いでいる可能性があると報告

発表日:2017.07.31

アメリカ国立科学財団(NSF)の助成を受けた研究チームは、西南極氷床下800メートルの氷底湖で、細菌がメタンを分解し、大気への放出を防いでいる可能性があるとする研究成果を発表した。研究チームは2013年に同氷床の貫通に成功し、数千年間大気と直接接触していなかった氷底湖の水と堆積物の試料を採取した。これを分析したところ、湖の堆積物上層ではメタンを分解してエネルギー源とする細菌が優勢で、これが、メタンが氷底水に侵入し、最終的に大気中に放出されるのを防ぐフィルターの役割を果たしているとみられる。この分析が正しければ、西南極氷床下にある大規模なメタン溜まりは大気中に放出されにくいことになるという。科学者らは、メタンは強力な温室効果ガスであり、地球の気候の全体像を科学的に理解するには、地球上のメタンの発生・吸収源、気候系内のフィードバックについての理解は非常に重要だと指摘する。また、メタンの酸化は大気中の熱と日光から隔絶された低温環境での多くの微生物の生存手段である可能性があり、氷に覆われた太陽系圏外の微生物の研究にも関係するかもしれないという。

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