メキシコ湾原油流出事故後の微生物による石油分解には、湾内の海底地形が影響

発表日:2012.01.09

カリフォルニア大学などの科学者チームは、メキシコ湾原油流出事故で噴出したメタンその他の化学物質の急速な分解には、メキシコ湾の海底地形の特徴が大きな役割を果たしており、これに海流と細菌の各要因が加わったとする研究成果を全米科学アカデミー紀要に発表した。研究者らは、メタン等の炭化水素プルームの消失には、微生物と生分解の遷移のほかに海水の動きが関係していると考え、湾内の水の動きを組み入れた詳細なコンピューターモデルを作成した。これに事故の流出物や細菌のデータを入力して調べたところ、酸素の減少状況や微生物群の構成が実態と非常によく一致したという。メキシコ湾の海底は箱状の峡谷になっているため、原油流出に伴って大発生した炭化水素分解細菌は拡散せずに湾内で旋回し、新規の流出炭化水素を次々と分解したと考えられている。水の動きが炭化水素分解の重要要因と判明したことから、研究を行った科学者らは、事故発生に備え、海底掘削に際しては海域の海水動態モデルの作成を義務付けるよう提言している。

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