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 東京大学大気海洋研究所、太平洋深層の循環が潮汐混合により制御されている可能性を発表

発表日:2013.09.10


  東京大学大気海洋研究所は、太平洋深層の循環が潮汐混合により制御されている可能性を発見したと発表した。太平洋は海洋深層循環の上昇域にあたり、その深層には地球の気候を決めるうえで重要となる熱や炭素が多く蓄えられ、その分布は海水の水塊年齢分布と密接に関係している。太平洋深層には、世界中の海のなかでも最も古い水塊年齢をもつ海水が存在する。近年の研究では、海底付近で起こる非常に強い潮汐混合(潮の満ち引きによる海水のかき混ぜ)に注目が集まっていたが、今回、海洋大循環モデルによる数値シミュレーションにより、太平洋における海洋深層循環の強さを制御する仕組みとして、海底から離れた場所で起こる潮汐混合が重要な役割をもつことを明らかにした。また、これまでの海洋大循環モデルではうまく再現することができなかった太平洋深層における水塊年齢の分布を、この潮汐混合の効果を組み込むことにより、その特徴の再現にはじめて成功した。今回の成果は、海洋深層が大きく影響する数百~数千年の時間スケールで引き起こされる気候変動を理解するうえで重要な意味をもつという。

情報源 東京大学大気海洋研究所 学術ニュース
機関 東京大学大気海洋研究所
分野 地球環境
キーワード 気候変動 | シミュレーション | 太平洋 | 深層 | 深層循環 | 東京大学大気海洋研究所 | 海洋深層 | 潮汐混合 | 水塊
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