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 静岡大など、光合成反応の場を作る膜脂質の機能を解明

発表日:2014.09.02


  静岡大学は、東京大学及び東京工業大学と共同で、光合成反応を行う光合成膜に普遍的に存在するガラクト脂質が、これまでの常識と異なり光合成に必須ではないことを明らかにしたと発表した。植物や藻類、シアノバクテリアなどの酸素発生型光合成をする生物では、光合成反応の場である光合成膜は、ガラクト脂質でできている。植物では脂質の骨格にガラクトースを転移してガラクト脂質を合成するのに対し、シアノバクテリアでは脂質の骨格に一度グルコースを転移した後、ガラクトースに変換して合成する。今回、研究グループでは、グルコースからガラクトースに変換する酵素の遺伝子mgdEを明らかにし、その遺伝子破壊株を作成。遺伝子破壊株では、ガラクト脂質の代わりにグルコースを持つ脂質が蓄積していたが、光合成膜が形成され、光合成活性も維持していることがわかった。今後、光合成に必須のタンパク質群の構造や安定性に膜脂質が与える影響を明らかにすることで、光合成システムの精密な理解を促進し、エネルギー物質生産の効率化に役立つことが期待されるという。

情報源 静岡大学 プレスリリース(PDF)
静岡大学 ニュース
(独)科学技術振興機構(JST) 共同発表
東京工業大学 ニュース
機関 静岡大学 東京大学 東京工業大学
分野 地球環境
キーワード 東京大学 | 東京工業大学 | 効率化 | 光合成 | タンパク質 | バイオエネルギー | 静岡大学 | グルコース | 光合成膜 | ガラクト脂質
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