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 大阪大、世界最小熱伝導率の結晶シリコン材料を実現

発表日:2014.12.10


  大阪大学は、世界最小熱伝導率の結晶シリコン(Si)材料を形成する技術を開発したと発表した。廃熱エネルギーを電気エネルギーとして再利用するための熱電変換材料には、従来、レアメタルや、毒性を持ったりすることの多い重い元素を含んだ材料が使われ、より安価で環境に低負荷な材料が求められていた。今回、ありふれた元素であるSiのナノドット結晶を、結晶方位をそろえて連結することで、高い電気伝導率で低い熱伝導率という熱電変換の高性能化に必要な特性を、レアメタルを使わずに実現した。このようなナノドット構造は従来法では作製が不可能であったが、独自に開発したナノドット形成技術を応用することで、電気伝導率の悪化を適切に抑え、熱伝導率をバルクSiの約1/200まで低減することが可能となり、さらにSiの熱伝導率の世界最小値を得ることに成功した。この成果は、パソコンなどから排出される低温度廃熱を、電気エネルギーとして再利用する熱電変換素子と電子素子を同時に組み込んだ材料の開発が期待できるという。

情報源 (独)科学技術振興機構(JST) 共同発表
機関 大阪大学 (独)科学技術振興機構(JST)
分野 地球環境
キーワード レアメタル | 大阪大学 | シリコン | 廃熱 | 熱伝導率 | 熱電変換 | 電気伝導率
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