東京農工大学は、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)との共同研究で、イネの茎を強くし倒れにくくするゲノム領域を高い精度で特定することに成功した。イネは8~9月の登熟期を迎えると暴風雨などにより倒伏し、収量および品質の低下が大きな問題となる。人口の増加、地球環境変動に対して、将来にわたり生産量を増加し生産を安定化するためには、スーパー台風などに対する倒伏抵抗性を備えたイネ多収品種の開発が不可欠と考えられている。今回研究グループでは、ゲノムの一定領域のみが他方のゲノムに置き換わったイネ系統(染色体断片置換系統)を用いて、強稈性(茎が強く倒れにくい性質)に関わる形質をコントロールするゲノム領域を高精度に特定することに成功した。この成果により、日本および東南アジアをはじめとする世界の食料生産の増加、安定化に貢献することなどが期待できるという