国内ニュース


 東北大、新たなデバイス「熱電バッテリー」の技術開発戦略を提示

発表日:2019.01.28


  東北大学は、温度差により発電し、蓄電機能も有する新しいデバイス「熱電バッテリー」の原理検証に成功し、2022年にIoTセンサ給電システムとしてのサンプル提案を目指すと発表した。IoTセンサ等の電力として、太陽電池による発電が困難な暗所でも、温度差を利用して発電する技術の確立が求められている。しかし、既存の熱電発電技術では、デバイスの小型化・高性能化が困難であった。同大の研究グループは、10 μm径の貫通孔(ナノチャンネル)を高密度に配置したアルミナの薄膜でイオン液体(電解質)が入ったセルを分割した熱電素子のプロトタイプを作製し、電子顕微鏡による観察や、温度差を与えたときの出力電圧・出力密度を測定した。その結果、ナノチャンネルを介した熱浸透流により、1)30 ℃の温度変化で250 μW/cm2 の出力密度が得られ、2)48時間以上経過しても6割以上の電荷が安定的に保持されていることが確認された。さまざまなIoT用センサのバッテリーフリー化や、常温発電分野における研究開発の展開に資する成果であるという。

情報源 東北大学 プレスリリース
機関 東北大学 
分野 環境総合
キーワード 東北大学 | 熱電発電 | 熱電バッテリー | IoTセンサ | ナノチャンネル | アルミナ | バッテリーフリー | 常温発電
関連ニュース

関連する環境技術